[実績知見開示]
これまで積み上げてきた実績・知見、
さらには、お客様の持つ個々の問題へのソリューションの御提案
(1)[大規模産業用プラントの安定的運用からの視点]
具体的には、火力発電所でのエネルギー安定供給、
化学工業プラント・都市ごみ焼却施設等での長期にわたる
安定運用からの視点
1-1:高温極限下での金属材料の劣化度および寿命の予測
[課題]
火力発電所を始めとする各種産業用プラントにおける、
ガスタービン・ボイラーの部品等の、金属材料の経年劣化を
コンピュータシミュレーション技術で予測する。
[弊社のリソース]
Phase Field of Steel計算ソフト
http://www.aasri.jp/pub/leaflet/PhaseFieldSteel_mcatalog_aas_screen.pdf
http://www.aasri.jp/pub/demo/proposal/Quantitative_Phase_Field.pdf
弊社のPhase Field(フェーズ-フィールド)法シミュレーション・ソフトを使えば、
金属の界面組織の形態の変化を、時系列データとして得ることが可能です。
弊社ホームページで紹介している計算デモでは、
純鉄(Fe)、鉄(Fe)-炭素(C)、等の金属の、高温環境下における、
フェライト相(体心立方格子)⇔オーステナイト相(面心立方格子)間の
相転移の挙動を、時系列的に追跡する計算例を取り上げています。
一般に、火力発電所等の産業用プラントで使用されるボイラー、タービンには、
オーステナイト系耐熱鋼、高クロムフェライト鋼等の鋼材が
利用されているケースが多いと思われます。
これらの鋼材が長期間、高温・高圧下で使用されることにより生じる主な
劣化要因としては、
クリープボイドおよび水素侵食と呼ばれる現象が考えられます。
クリープボイドとは、もともと鋼材金属結晶内部に存在する微小欠陥が、
高温高圧下での拡散現象によって結晶粒界に集まり、
より大きな空孔を形成したものを指します。
水素侵食とは、高温・高圧水素環境で鋼材中に侵入した水素が、
鋼材中の炭化物と反応して脱炭と結晶粒界割れを生じることを指します。
弊社のPhase Field(フェーズ-フィールド)法シミュレーション・ソフトは、
金属結晶粒界の界面の挙動を調べるのに適しています。
結晶粒界の界面付近での、微小欠陥や水素分子の拡散する様子を、
シミュレーションによって明らかにし、
これにより、火力発電施設(ボイラー、タービン)の劣化・寿命予測に、
威力を発揮すると考えられます。
Phase Field(フェーズ-フィールド)法は、本来は、金属結晶成長をシミュレートす
る数学的な手法として開発されました。
複数の異なる相状態にある金属材料の、界面の様子に着目し、
界面の物理的状態の時間変化を、
偏微分方程式で記述し、それを数値解析的な手法
(コンピュータによる数値計算)で解く点に、特徴が有ります。
非常に簡単化して説明するならば、Phase Field(フェーズ-フィールド)法は、
第1番目の金属相では値'0'、第2番目の金属相では値'1'を取る関数を考え、
この関数に対して成立する微分方程式と、
もともとの第1番目の金属、第2番目の金属、各々に対して成立する微分方程式を
同時に考えて、
これらを連立させて混相流の問題を解く、ということになります。
さらに、第1、第2の二種類の金属の中間の領域を考え、これを、
厚みのある界面と見なす場合も有ります。
従って、以上の説明からも分かるように、
ボイラー、タービンで使用されている鋼材の、結晶粒界の界面付近での、
微小欠陥や水素分子の拡散の様子をシミュレーションする方法としては、
Phase Field(フェーズ-フィールド)法は理に適った選択と言えます。
さらに、Phase Field法は、単なる金属結晶成長モデルに留まらず、
複数の材料からなる系の時間発展を記述する、
より一般的なモデルとして注目されています。
例えば、2種類の物理的特性の異なる流体、もしくは、気体の時間発展の様子を、
Phase Field法でトレースすることも可能です。
このような物理系は、混相流と呼ばれ、Phase Field法のより広い適用対象として、
研究が進められています。
高圧ガス容器内での液体の噴出する様子、粘性係数の異なる二種類の液体の
混合する様子、淡水中に流れ込む土砂の様子、等、
フェーズ-フィールド法に基づくシミュレーション手法の適用範囲は、
極めて広いと言えます。
1-2:地震・耐震技術に関するシミュレーション
[課題]
燃料タンク、熱交換器、放水路、その他の発電施設・プラント施設等の構造物と、
地盤を対象とした、地震応答解析シミュレーションを行い、
より精度の高い耐震性評価に役立てる。
[弊社のリソース]
流体-固体連成解析ソフトGSMAC-SOLID
http://www.aasri.jp/pub/leaflet/GSMAC-SOLID_mcatalog_aas.pdf
構造解析技術一般(原子力建屋、マスコンクリート、地盤の液状化)
http://www.aasri.jp/pub/area/analysisConformation-1.pdf
弊社は、構造解析シミュレーション全般に関して、実績が有ります。
建築物等の構造体のみならず、地盤液状化等のシミュレーション実績も有ります。
1-3:原子炉における放射性物質の挙動および構造物の放射線遮蔽効果の
シミュレーション
[課題]
原子力発電所の安全運転のための基礎データを、シミュレーション技術で
提供する。
特に、原子力発電所内の配管内に蓄積している放射性物質の挙動の調査、
発電所内構造物による放射線の遮蔽効果、
原子炉格納容器から放射性物質を含んだ蒸気が漏れ出た場合の拡散の様子、
水蒸気が高温加熱された金属(ジルコニウム)と接触した場合の水素ガス発生、
等のシミュレーションが望まれる。
[弊社のリソース]
災害総合シミュレーションシステム用のサブシステム開発
http://www.aasri.jp/pub/area/product/doc/saigai.pdf
数値流体計算ソルバーAEOLUS
http://www.aasri.jp/pub/demo/demo/cfd/aeolus/AEOLUS.html
AEOLUSによる気液2相流計算
http://www.aasri.jp/pub/area/product/doc/flow_multiphase.pdf
AEOLUSによる化学反応プロセス計算
http://www.aasri.jp/pub/area/product/doc/chemical_reaction.pdf
原子力発電所で起こり得る様々な事象は、総合的な視点から、
複数のシミュレーション技法を組み合わせる等の手法で、
解析を進める必要が有ります。
弊社には、防災総合シミュレーションの実績が有ります。
また、これとは別に、弊社には、特殊な流体力学的問題を解析することを
目的とした、
数値流体計算ソルバーAEOLUSの開発実績が有ります。
弊社ソルバーAEOLUSは、CIP-GCUP法と呼ばれる解法を用いた
流体力学シミュレータで、
圧縮・非圧縮の異なる二種類の流体から成る問題を
統一的に取り扱いたい場合、
固体・液体・気体が同時に存在する問題を統一的に取り扱いたい場合、
流体力学方程式と状態方程式をカップルさせて流体シミュレーションを
行いたい場合、等で、威力を発揮します。
CIP法とは、Constrained Interpolation Profile Schemeの略で、
3次の補間関数を用いた差分法により、
偏微分方程式を数値的に解く点に特徴が有ります。
GCUP法とは、G-Combined Unified Procedureの略で、圧縮・非圧縮流体、
または、固体・液体・気体というように、
異なる相にある物質の運動方程式(微分方程式)を、連立させて、統一的に解く点に
特徴が有ります。
弊社数値流体計算ソルバーAEOLUSを用いれば、原子力発電所等の極限環境下での、
混相流や、固体・液体・気体共存系での、
特殊なシミュレーションが可能となります。
具体例としては、
(i)水蒸気が高温加熱された金属(ジルコニウム)と接触した場合の水素ガス発生
等の、急激な化学反応
(ii)原子炉格納容器から放射性物質を含んだ蒸気が漏れ出た場合の拡散の様子
等の、異なる複数種類の流体から成る混相流のシミュレーション
(iii)原子力発電所の建屋内部で起こる爆発現象のシミュレーション
(水素爆発、その他)
(iv)熱排水に含まれる放射性物質の、周辺海域内での拡散シミュレーション
が挙げられます。
1-4:土木構造の水理設計
[課題]
電力設備として使用されている水路構造物、ダム、
海岸構造物(消波ブロック)に関しての、
流体-固体シミュレーションを行う。
特に、環境保全を目的とした、水路、ダム、防波堤での堆積物の時系列変化予測、
河川、海岸線の形状の経年変化予測、等に取り組む。
[弊社のリソース]
流体-固体連成解析ソフトGSMAC-SOLID
http://www.aasri.jp/pub/leaflet/GSMAC-SOLID_mcatalog_aas.pdf
河川流域の土砂が、ダム等の構造物付近に堆積する様子をシミュレーションする
場合、流体と柔らかい固体の連成現象の解析が不可欠です。
弊社の、流体-固体連成解析ソフトGSMAC-SOLIDは、
このような混相流の分析に適しています。
(2)発電所・産業用プラント・各種工場設備での、
効率的なエネルギー利用の視点
2-1:電気二重層キャパシタ
[課題]
より高効率な電気二重層キャパシタを開発するための、
基礎的な物性データを得ることを目的とした、
電極および電解質中のイオンの挙動シミュレーションを行う。
[弊社のリソース]
電池の数学的モデリング(電極・電解質界面でのイオン動力学)
http://www.aasri.jp/pub/demo/proposal/battery_math_model.pdf
STMシミュレータ開発
http://www.aasri.jp/pub/demo/proposal/sim_stm3.pdf
リチウム正極材料電池材料計算
http://www.aasri.jp/pub/demo/proposal/battery_Li.pdf
リチウム電池起電力計算
http://www.aasri.jp/pub/demo/proposal/li_battery.pdf
極微細トランジスタ設計を視野にいれた表面電子状態シミュレーション
http://www.aasri.jp/pub/demo/proposal/sim_stm4.pdf
発電所・工場設備内等での様々な電力の利用状態に応じて、
適切な蓄電・充電設備を設置する必要が有ります。
さらには、IT産業においても、データサーバー等の運用に際して、
無停電電源装置等の設備の導入は必要不可欠です。
このような緊急時の電源設備として、近年、電気二重層キャパシタが
注目されつつあります。
電気二重層キャパシタは、従来の二次電池とは異なり、
いわゆる化学反応をを介さずに、蓄電効果を得ることが出来ます。
イオン分子が電荷を蓄えるので、充放電の繰り返しでコンデンサとしての
性能が劣化することは、
原理的には無いと言えます。
しかし、より高性能・高効率のコンデンサを実現するには、
蓄電容量の増大化、自己放電の抑制、内部抵抗の低減、
低コストな製造方法の確立等、
克服すべき課題が有るのも事実です。
電気二重層キャパシタの動作原理の、より深い理解には、
イオン分子レベルでの電極表面のシミュレーションが不可欠と思われます。
弊社は、これまで、界面物理のシミュレーションに、いくつかの実績が有ります。
この技術力を活かして、電気二重層キャパシタの製品開発をサポート致します。
2-2:超電導の電力応用
[課題]
超電導技術の電力貯蔵への応用の技術開発のための、
基礎的な物性科学シミュレーションを行う。
[弊社のリソース]
電磁波解析
http://www.aasri.jp/pub/demo/report_aas/tec_field/f05.html
電力貯蔵設備の開発は、電力会社のみならず、
これからの都市インフラ・都市整備の要とも言えます。
超電導技術を使った電力貯蔵の方法としては、主に、
超電導電力貯蔵装置(SMES: Superconducting Magnetic Energy Storage)、
および、超電導軸受によるフライホイール電力貯蔵装置の、
二通りが考えられます。
これらの装置の動作シミュレーションには、マクスウェル方程式等の解析が
不可欠と思われます。
弊社には、電磁気解析(マクスウェル方程式による電界および磁場の解析)の
実績が有ります。
差分法、有限要素法、境界要素法、等の様々な解析手法の中から、
実際の問題解決に最適な方法を選択し、ソルバーの開発、さらには、
受託解析も可能です。
(3)地球環境保全からの視点
3-1:太陽光発電大量導入による電力系統への影響評価研究
[課題]
太陽光発電設備が、地域内に多数配置された際の、既存電力系統に与える影響の
推定・評価
[弊社のリソース]
高速道路等のネットワーク上での交通シミュレーション技術
http://www.aasri.jp/pub/news/TrafficInformation.pdf
http://www.aasri.jp/pub/news/GoogleEarthSimulation.pdf
http://www.aasri.jp/pub/news/TrafficCongestion.wmv
SDPモデリング技術
http://www.aasri.jp/pub/news/SDPPROJECT.pdf
http://www.aasri.jp/pub/news/SDPsoft.pdf
弊社には、SDP (Self Driven Particles:自己駆動粒子)と呼ばれる
数理モデリング手法を用いた、
交通渋滞シミュレーションの実績が有ります。
この種の解析手法は、交通システムに留まらず、
より一般的なネットワーク・フローでの振る舞いの分析に
威力を発揮します。
特に、近年、電力網の最適化として、スマート・グリッド(Smart Grid)の考え方が
注目を集めています。
複雑化した送電線ネットワーク網において、エネルギー供給経路の最適化を、
通常のコンピュータで計算する場合、
計算時間の急激な増大がネックになると予想されます。
弊社のシミュレーション技術は、ネットワーク上での最適解を、
reasonableなコンピュータ計算時間で得る指針を提供します。
3-2:CO2削減技術に関する研究
[課題]
火力発電所・各種産業プラントから放出された二酸化炭素を回収し
地中に封じ込めた場合のCO2分子の挙動、
さらには、水中プランクトン、藻類等による二酸化炭素の吸収の様子を
シミュレーション
[弊社のリソース高速道路等のネットワーク上での交通シミュレーション技術
http://www.aasri.jp/pub/news/TrafficInformation.pdf
http://www.aasri.jp/pub/news/GoogleEarthSimulation.pdf
http://www.aasri.jp/pub/news/TrafficCongestion.wmv
SDPモデリング技術
http://www.aasri.jp/pub/news/SDPPROJECT.pdf
http://www.aasri.jp/pub/news/SDPsoft.pdf
前の(3-1)の項目でも説明致しましたように、弊社には、
SDP (Self Driven Particles:自己駆動粒子)と呼ばれる
数理モデリング手法を用いた、
交通渋滞シミュレーションの実績が有ります。
この種の解析手法は、交通システムに留まらず、
自然界の分子、生物の複雑なネットワーク(生物と有機物の連鎖)の分析に、
応用可能です。
3-3:その他の実績
1)実施例、デモ
http://www.aasri.jp/pub/demo/proposal/proposal.html
2)物理法則
http://www.aasri.jp/pub/area/laws.html
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